上級科 第4回  Ⅰ

チーズ上級科第4回のテーマは イギリス&アイルランドチーズ特集です。

ちょうど、エリザベス女王即位60年を記念して 
イギリスでは祝賀ムードに包まれていますね。

1. イギリスチーズの概要
イギリスはグレートブリテン島と北アイルランドから成り、ドーバー海峡を隔ててフランスと対峙しています。
夏は涼しく冬は暖かく、サハリン北部と同緯度のロンドンは、メキシコ湾流の影響で冬でも東京並みです。

今から2000年以上も前、古代ローマ帝国の侵攻によりチーズ製造の技術が伝わり、中世までイギリスの
主要家畜は羊で農家製の羊乳チーズが小規模に作られていました。
14世紀から牛乳製チーズが主流となり、チーズ作りは農家の主婦が主な担い手でした。

18世紀の産業革命の後、工場地帯に爆発的に人口が集中し、その需要に応えるため
大規模なチーズ製造工場が作られ、チーズ産業は飛躍的な発展を遂げます。

19世紀末、南北アメリカ大陸やオセアニアに渡ったイギリス移民がチェダーを作り始めたことから、
チェダータイプのチーズが世界中で作られるようになり、チェダーは現在生産量世界第1位です。

イギリスでは約400種類のチーズが製造されています。
特に、酸味と苦みなどの特色ある味わいを作りだすチェダリングという方法で作られるチーズが多いこと、
ハーブやスパイス類、フルーツを加えて個性的な風味を作りだすブレンドチーズというカテゴリーがあること
などが イギリスチーズの特徴です。

イギリスにもフランスと同じく原産地を保護するPDOチーズが9種あります。
日本でも有名なブルー&ホワイトスティルトンやウェストカントリー・ファームハウスチェダーなどです。

2. アイルランドチーズの概要
アイルランド共和国は、アイルランド島の6分の5を有しており、北の6分の1はイギリス領です。
北海道と同じくらいの面積で緑豊かでなだらかな平地が広がっています。
南東部のマンスター地方はチーズ作りが最も盛んな地域です。

チーズ作りは古くから行われていましたが、16~17世紀の大飢饉で一時途絶えてしまいます。

20世紀半ばにイギリスから独立を果たし、イギリス本土向けのチェダーとバター作りだけだった
アイルランドの酪農は、1970年代から農家製のチーズ作りが復活し、数々のチーズコンテストでも
成功を収め、注目を集めるようになりました。

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